年金・資産・副収入をどう組み合わせるか(AFP視点)
50代に入ると、「いつ仕事を辞めるべきか?」「何歳まで働けば安心なのか?」という疑問が現実的になってきます。リタイアは感覚ではなく、年金・資産・副収入という3つの柱で判断する必要があります。
1. リタイアを考えるための三本柱
- ① 年金の受給年齢と金額
- ② 老後までに作る資産の総額
- ③ 年金以外の副収入の有無
この3つのバランスで「60歳で辞める」「65歳まで働く」「働き方を柔らかく変える」などの選択肢が決まります。
2. 年金は何歳から受け取るべきか?
● 65歳受給が標準
最も一般的な受給タイミングで、老後収入のベースになります。
● 60歳からの繰り上げ受給
繰り上げるほど1ヶ月ごとに0.4%減額となり、生涯続くので注意が必要です。
● 70歳まで繰り下げると最大+42%増額
長生きするほどおトクですが、受給開始までの生活費をどうするかがポイントです。
「いつまで働けるか」より「いつまで働いたほうが得か」が重要な視点です。
3. リタイアに必要な資産額の目安
- 2,000万円:節約すれば生活は可能
- 3,000万円:年間100万円程度の取り崩しが可能
- 5,000万円:資産収入で生活費を広くカバー可能
● NISAを活かした「減らない取り崩し」
運用しながら取り崩す場合、取り崩し率は年3〜4%以内が目安です。この範囲なら30年間資産を維持しやすくなります。
年金 + 資産取り崩し3% + 副収入 の組み合わせが最も安定します。
4. 副収入がリタイア時期を早める
● 50代からでも作れる副収入
- ブログやSNSによる広告収入
- 在宅ワーク(ライター・デザイン等)
- 週2〜3日のパート収入
- 株式や投資信託の配当収入
月3〜5万円の副収入があるだけで、リタイア時期を2〜5年早められることがあります。
5. 50代で考えたい「柔らかいリタイア」
完全リタイアではなく、収入をキープしながら働くペースを落とす選択肢です。
- フルタイム → パート勤務
- 正社員 → シニア雇用
- 週5勤務 → 週3勤務
- 在宅ワークへ移行
年収が減っても、少し働くだけで資産寿命は大きく延びます。
6. AFPが推奨するリタイア判断ステップ
- 現在の資産・年金見込み額を把握
- 老後の生活費を算出(最低22万円・ゆとり28〜35万円)
- 資産の取り崩しプランを作る(年3%以内)
- 副収入の可能性を検討する
- 複数の退職年齢で試算(60歳・63歳・65歳・70歳)
まとめ:50代はリタイア戦略を固めるゴールデンタイム
50代は以下の要素が重なる重要な時期です。
- 仕事をやめるタイミング
- 年金受給の開始時期
- 老後資産の取り崩し計画
- 副収入づくり
「65歳まで働くのが当たり前」ではなく、数字を使った最適化が老後の安心を生みます。
NISAを活かした資産形成、副収入の確保、働き方の調整を組み合わせることで、無理のないリタイアが可能になります。
50代からの準備が、自由な働き方と豊かな老後につながります。

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