インフレ時代を生き抜くために今やるべきこと(AFP視点)
近年続く物価上昇により、「老後の生活は本当に大丈夫なのか」と不安を感じている50代の方は少なくありません。食料品、エネルギー、保険料、税金など、生活に直結する支出は確実に増えています。
AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)の立場から見ると、50代からの物価高対策で最も重要なのは、資産を増やすこと以上に“家計と資産の耐久力を高めること”です。
1. 物価高が50代・老後に与える本当の影響
物価が年2%上昇すると、30年後の生活費は約1.8倍になります。これは、現役時代以上に老後家計へ大きな影響を与えます。
- 年金の増額は物価上昇に追いつきにくい
- 貯金の実質価値は目減りする
- 固定費が家計を圧迫し続ける
つまり、「貯金しているから安心」という時代はすでに終わっているのです。
2. 50代からの物価高対策の優先順位
50代は、老後までの準備期間が限られている一方で、まだ収入がある貴重な時期です。対策には明確な優先順位があります。
① 収支のコントロール(最重要)
物価高対策の基本は支出を把握し、増え続ける支出をコントロールすることです。
- 毎月の生活費を把握する
- 将来増える支出(医療・介護)を想定する
- 老後の月間生活費を現実的に見積もる
② 固定費の最適化で家計を軽くする
物価高に強い家計を作るには、固定費の見直しが最も効果的です。
- 通信費:格安SIMやプラン変更
- 生命保険:過剰保障・更新型の整理
- 車:保有コストの見直し
- サブスク:不要な契約の解約
月2〜3万円の固定費削減は、老後において年金が1万円増える以上の効果を持ちます。
③ 資産形成は「守りながら増やす」
50代からの資産形成では、無理なリスクは不要です。
- NISAを活用した長期・分散投資
- 株式・投資信託を中心にシンプルに
- 運用利回りは年3〜5%を目安
インフレに負けないためには、お金にも少し働いてもらう必要があります。
3. 物価高時代に「貯金だけ」が危険な理由
物価が上がると、預金の価値は実質的に減少します。
例えば、年2%のインフレが10年続けば、1000万円の価値は約820万円相当まで目減りします。
だからこそ、
- 生活防衛資金は預金
- それ以外は資産運用
という役割分担が重要になります。
4. 50代から考えたい「収入の柱」を増やす発想
物価高対策として、収入を少しでも増やすことは大きな安心につながります。
● 50代から現実的な収入源
- 65歳以降も続けられる仕事
- 週2〜3日のパート・再雇用
- 在宅ワークや副業
- 配当・分配金収入
月3万円の副収入があるだけで、老後の資産寿命は10年以上延びることもあります。
5. AFPがすすめる「物価高に強い50代の家計設計」
- 現在の生活費と老後生活費を把握する
- 固定費を最優先で見直す
- NISAを活用しインフレ対策を行う
- 年金以外の収入源を検討する
- 60歳・65歳・70歳での収支を試算する
まとめ:50代は「物価高に備える最後のチャンス」
50代は、老後に向けた準備を現実的に修正できる最後の重要な時期です。
- 資産形成は「増やす」より「減らさない」
- 固定費削減は最大のインフレ対策
- 収入の複線化が安心を生む
物価高の時代でも、正しい対策を取れば老後の生活は守れます。 今日の一歩が、10年後・20年後の安心につながります。

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