健康保険・厚生年金に加入するメリットをAFP視点で解説
近年、パート・アルバイトの社会保険適用拡大が進み、「扶養内で働く」という考え方が見直されつつあります。
かつては「年収を一定額以内に抑える」ことが一般的でしたが、制度改正により、社会保険に加入すること自体がメリットになるケースが増えています。
本記事では、AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)の視点から、扶養要件の変更と、健康保険・厚生年金加入のメリットを整理します。
1. 扶養の基本的な考え方
扶養には大きく分けて2種類あります。
- 税法上の扶養(配偶者控除・配偶者特別控除など)
- 社会保険上の扶養(健康保険の被扶養者)
社会保険の扶養は、一定の収入未満であれば保険料負担なしで健康保険に加入できる制度です。しかし適用拡大により、一定の条件を満たすと扶養から外れ、自ら加入する必要が出てきます。
2. 社会保険適用拡大のポイント
現在は、一定規模以上の企業で働き、
- 週の所定労働時間が一定以上
- 月額賃金が基準以上
- 2か月を超える雇用見込み
などの条件を満たす場合、健康保険・厚生年金への加入義務が発生します。
今後は企業規模要件の撤廃も予定されており、対象者はさらに広がる見込みです。
3. 健康保険に加入するメリット
● 傷病手当金
病気やけがで働けなくなった場合、給与の約3分の2が支給される制度があります。扶養のままでは受けられません。
● 出産手当金
出産による休業期間中の所得保障があります。
● 将来の医療保障の安定
自分自身が保険料を負担することで、保障の主体が「自分」になります。
4. 厚生年金に加入するメリット
● 老齢年金が増える
国民年金(基礎年金)に上乗せして厚生年金が支給されます。将来受け取る年金額は大きく変わります。
● 障害年金が手厚い
障害厚生年金は報酬比例で支給され、保障水準が高くなります。
● 遺族年金の充実
万が一の場合、遺族厚生年金が支給され、家族の生活を支えます。
5. 「手取りが減る」だけではない視点
社会保険に加入すると、確かに保険料負担が発生します。しかしAFPとして重視するのは、短期の手取りではなく、長期の保障と年金額です。
目先の数万円よりも、将来数百万円単位の年金差が生まれる可能性があります。
6. 判断のポイント
- 将来の働き方はどうするか
- 老後資金は十分か
- 保障をどう確保するか
- 世帯全体での手取りと社会保障のバランス
「扶養内に抑える」ことが常に有利とは限りません。キャリア形成や将来の年金額まで含めた総合判断が必要です。
まとめ:社会保険加入は“負担”か“投資”か
扶養要件の変更は、一見すると負担増に見えます。しかし、
- 保障の強化
- 老後年金の増額
- 自立した社会保障の確立
という視点で見れば、将来への「投資」とも言えます。
AFPとしてお伝えしたいのは、制度の表面だけでなく、人生全体でのメリットを考えることです。

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