持ち家か賃貸かを老後まで見据えて考える|AFP視点
インフレが当たり前になりつつある今、これまで「常識」とされてきたお金の考え方は大きく変わり始めています。その代表例が「持ち家が得か、賃貸が得か」というテーマです。
かつては「家は一生に一度の最大の買い物」「老後は持ち家が安心」と言われてきました。しかし、物価上昇・金利変動・働き方の変化によって、この前提自体が見直される時代に入っています。
本記事ではAFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)の視点から、インフレ時代における持ち家と賃貸の考え方を、老後まで含めて整理します。
1. インフレ時代に「お金の常識」が変わる理由
インフレとは、時間とともにお金の価値が下がり、モノやサービスの価格が上がる状態です。
- 現金や預金は実質的に目減りする
- 固定費の影響がより大きくなる
- 将来の支出予測が難しくなる
住居費は家計の中で最大級の固定費であり、インフレの影響を最も受けやすい分野の一つです。
2. 持ち家のメリット(インフレ時代の視点)
● 住居費を固定化できる
住宅ローンを固定金利で組んだ場合、支払額は将来も変わりません。インフレが進むほど、実質的な負担は軽くなる可能性があります。
● 老後の住居費リスクを下げられる
ローン完済後は、家賃が不要になります。年金生活に入った後の固定費を抑えられる点は大きな安心材料です。
● インフレ時に資産価値が維持されやすい場合も
立地条件の良い不動産は、インフレ局面で価格が下がりにくい、あるいは上昇することもあります。
3. 持ち家のデメリット
- 購入時に多額の資金が必要
- 固定資産税・修繕費がかかる
- 簡単に住み替えできない
特に老後は、修繕費やバリアフリー改修など、想定外の出費が発生しやすい点には注意が必要です。
4. 賃貸のメリット(インフレ時代の視点)
● 身軽で柔軟
仕事、家族構成、健康状態の変化に応じて住み替えやすいのが最大の強みです。
● 住宅リスクを負わない
修繕費や建物価値の下落リスクは大家側が負います。老後に大きな修繕費がかからない安心感があります。
5. 賃貸のデメリット
- 家賃は一生払い続ける可能性がある
- インフレで家賃が上昇するリスク
- 高齢になると入居制限がかかる場合がある
インフレ局面では、家賃が上がる一方で年金額はすぐに追いつかない可能性があります。
6. 老後まで考えた住居選択のポイント
AFPとして重要だと考える視点は次の通りです。
- 老後の住居費はいくらかかるか
- 健康状態が変わったとき対応できるか
- 資産全体のバランスを崩さないか
「持ち家か賃貸か」ではなく、自分の人生設計に合っているかが判断基準になります。
7. 持ち家でも資産形成はできる
「家を買ったら資産形成はできない」と考える方もいますが、必ずしもそうではありません。
● 住宅ローンと資産形成の両立
- ローンは無理のない返済額に抑える
- NISAなどで長期投資を継続する
- 繰り上げ返済は資産全体を見て判断
住居は「生活の基盤」、金融資産は「将来の自由度」を高める役割があります。両立は十分可能です。
8. インフレ時代の住居選択に正解はない
インフレ時代は変化が速く、「絶対に得な選択」は存在しません。
- 持ち家で安心を取る
- 賃貸で柔軟性を取る
どちらも立派な選択です。大切なのは、住居費が将来の生活や資産形成を圧迫しないことです。
まとめ:住まいは「お金」と「人生」の交差点
インフレ時代において、住居は単なる住む場所ではなく、人生設計そのものに直結します。
- 住居費をどうコントロールするか
- 老後の安心をどう確保するか
- 資産形成とどう両立させるか
これらを総合的に考えることが、これからの「新しいお金の常識」です。
AFPとしてお伝えしたいのは、持ち家でも賃貸でも、考え方次第で資産形成は可能ということ。大切なのは選択後の行動です。

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