老後資産の一部に金の購入は必要か?メリットとリスクをFPが解説

お金の部屋

こんにちは。監督です。人生のライフイベントに関わるお金、世の中のニュースについての考察を発信しています。国家資格のFP2級を保有してますので、お金などお悩み相談はDMにて受け付けます。しばらくの間不定期に更新します(プロモーションを含みます)。

「老後のお金、円だけで持っていて大丈夫?」
「インフレや有事に備えて“金(ゴールド)”を買ったほうがいいの?」

最近、こうしたご相談を受ける機会が増えています。
たしかに、金は世界的に「安全資産」として位置づけられ、老後の資産防衛手段の一つとして注目されています。

この記事では、ファイナンシャル・プランナー(FP)の立場から、金の購入が老後資産としてどんな意味を持つのか、メリットとリスクを整理してわかりやすくお伝えします。


そもそも「金(ゴールド)」とはどんな資産?

金は現物資産と呼ばれるもので、株や債券などの金融商品とは異なり、「実物として存在する資産」です。

  • 国の信用に依存しない
  • 通貨やインフレの影響を受けにくい
  • 世界中で価値が認められている

このような特徴から、戦争・災害・金融危機といった**有事の際に資金が集まる「安全資産」**とされています。


金を持つことの3つのメリット

① インフレに強い「価値保存資産」

物価が上がっても、金は世界共通で価値が認められているため、円の購買力が下がったときのヘッジになります。

→ たとえば、預金だけだと物価が2%上がれば実質的に資産価値は目減りしますが、金はその価値を保ちやすい。


② 通貨分散になる(円だけに頼らない資産設計)

日本円の価値が大きく下落した場合にも、外貨や金を持っていることでリスク分散になります。

→ 「老後資産は円建てだけでよいのか?」と考え始めた方にとって、金はその答えの一部になります。


③ 有事の資産防衛になる

戦争や金融不安、災害時などの**“有事”には金価格が上昇しやすい傾向**があります。

→ 特にコロナショックやウクライナ侵攻などの局面で、金価格は急騰しました。


金を持つことの3つのリスク・注意点

① 金利がつかない(配当・利息なし)

金は「保有しているだけでは増えない」資産です。
→ 株や投資信託のような複利運用効果はないため、過度に偏るのは避けたいところ。


② 価格の上下が大きい(相場の影響を受ける)

金価格は為替や投資家心理によって変動します。
→ 中長期では安定していても、短期的には大きく上下することもあるため、老後資金としての「安定運用」とは異なる側面も。


③ 保管・売却の手間や手数料

  • 現物の金(地金)を買うなら、盗難対策や保管料が必要
  • 金ETFや積立型(金投資信託)でも、手数料や信託報酬がかかる

→ 実際に買う方法によっても、運用コストと利便性は大きく変わります。


金の購入が向いている人とは?

✅ インフレや円安へのリスクヘッジをしたい人
✅ 老後資産を「円」「株」「外貨」以外にも分散したい人
✅ 長期的に保有できる心の余裕がある人


金の購入が向かない人とは?

❌ 毎月の生活資金がギリギリな人
❌ 短期的な利益を狙っている人
❌ 老後資金のメインを“値動きの激しい資産”にしたくない人


金投資の方法3選(比較表)

方法特徴向いている人
金地金(現物)実物を保有。安心感はあるが保管が必要安全資産を“目に見える形”で持ちたい人
金ETF株と同じように売買。保管不要手軽に金投資をしたい人
金積立月1,000円〜積立可能。価格平均効果ありコツコツ型の投資が好きな人

FPとしての結論|老後資産の「一部」なら金は有効

金は、「インフレや通貨のリスクに備えるための防御的な資産」として、
老後資産全体の5〜10%程度を目安に組み入れるのは有効です。

ただし、金だけに頼るのではなく、

  • 公的年金
  • 現金・預金
  • 投資信託(株・債券)
  • 副業収入やマイクロ法人の収入

などと組み合わせてリスクを分散することが大切です。

金を売却したときの税金はどうなる?

金を売ったときに得た利益には、「譲渡所得」として所得税・住民税がかかる可能性があります。

つまり、「買ったときより高く売れた」場合は課税対象になるということです。


▶ 金の売却益の計算方法

売却益(譲渡所得)= 売却価格 −(購入価格 + 諸費用) − 特別控除(最大50万円)

例:

  • 5年前に100万円分の金を購入
  • 現在、150万円で売却
  • 売却益は「150万円 − 100万円 = 50万円」
    → 特別控除の範囲内なので、課税なし

※「50万円を超えた分」に対して課税されます。


▶ 税率は「総合課税」扱い(他の所得と合算)

金の売却益は「給与所得」や「年金」などと合算され、**総合課税(累進課税)**として課税されます。
→ 所得が高い人ほど税率が高くなる(5〜45%+住民税10%)


特例:所有期間5年超なら「長期譲渡所得」扱いで軽減される

保有期間が5年を超えている場合、**譲渡益のうち「課税対象額が半分」**になります。

例:

  • 売却益が100万円あっても
    → 課税対象は50万円分になる

これが「長期譲渡所得の特例」です。
老後資金として長期保有する前提であれば、税金を抑える効果も見込めます。



✅ 「自分の老後資産に金をどのくらい組み入れるべきか?」
そんなお悩みは、ぜひ『監督の部屋』へご相談ください。
FPの視点から、あなたに合った資産設計をご提案します。


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