物価高の正体

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こんにちは。監督です。中高年向けに資産形成や老後の資金に関する情報や経済ニュースを発信しています。毎日朝7時に更新しています。

アメリカの金融機関が破綻しました。そして、FRBは 0.25%の利上げをしています。物価高対策ですが、ここで物価が上がった経緯を考えてみます。

物価高の原因

原油高です。WTIの先物取引の値動きはこのようになっています。

iSPEEDより引用

このチャートはWTI原油先物取引です。2012年の1月に原油先物価格は1度下がっています。3月以降に価格が上昇しています。理由はロシアによるウクライナ侵攻です。80〜100ドルの間で変化しています。この間にロシアさんの原油価格の規制や産油国に対して、多くの対策が行われていますが、ほとんど効果はありません。

産油国の事情

中東を中心に産油国はありますが、産油国の主な産業は原油の輸出です。

サウジアラビアの輸出状況です。財務省のサイトからの引用です。

総貿易額

(1)サウジアラビアからの輸出 2,754 億ドル(2021年、サウジアラビア統計局から算出)

(2)サウジアラビアへの輸入 1,524億ドル(2021年、サウジアラビア統計局から算出)

主要貿易相手国

(1)サウジアラビアからの輸出 中国、インド、日本、韓国、UAE

(2)サウジアラビアへの輸入 中国、UAE、米国、ドイツ、インド

主な貿易品目

(1)サウジアラビアからの輸出 鉱物性燃料(原油等)、化学製品、原料別製品(非鉄金属等)

(2)サウジアラビアへの輸入 輸送用機器(自動車等)、原料別製品(鉄鋼等)、一般機械(原動機等)

経済の概要

(1)サウジアラビアは世界最大級の石油埋蔵量、生産量及び輸出量を誇るエネルギー大国。輸出総額の約9割、財政収入の約8割を石油に依存。OPEC(石油輸出国機構)の指導国として国際原油市場に強い影響力を有する。

(2)若年層への雇用機会の増大、石油依存からの脱却が最重要課題。サウジ人労働力の積極的利用(サウダイゼーション)や石油部門以外の部門の発展に力を注いでいる。また、人材育成、民営化、外資導入、市場開放等諸改革に努めている。2016年4月、石油依存からの脱却と産業多角化を目指す「サウジ・ビジョン2030」が発表され、観光振興や女性の労働参画推進等を含む包括的な社会経済改革の方針が示された。

ここから分かること

サウジアラビアから見た貿易相手国は中国になります。中国は中東での発言力を強めています。先日も長年の懸案だったイランとの国交を回復に尽力しています。サウジアラビアから見た時に原油を多く購入する国が大事な相手国となります。それまでのサウジアラビアの大事な国はアメリカ合衆国でした。

アメリカ合衆国との関係

サウジアラビアとアメリカ合衆国は安全保障と原油の取引で相互関係が成り立っていました。亀裂が入るきっかけは9.11になります。実行犯の中にサウジアラビア人がいたことによってアメリカ合衆国政府内には、サウジアラビア政府の一部に不信感があります。『アラブの春』によって中東の多くの国は民主化に向かいます。この民主化がうまくいったかは現状を見ると明らかです。ですが、サウジアラビアが不審に思っている根本はここではなく、アメリカ合衆国の安全保障施策にあると思います。アルカイダやISが何故、出来たのか。中東の多くの車両がトヨタのランドクルーザーが多いのか。世界で多くのテロ活動をしている組織の裏側で何が起きているかはわかりませんが、ここにもサウジアラビアの不信感があります。

相互関係が崩れると

サウジアラビアの立場で考えると今まで、大事に思っていたアメリカがそうではなくなり、中国が取って代わります。中国の方針は簡単です。資源が欲しいので、手に入る為に多くの事をします。その一つがイランとの国交回復です。

温暖化対策の旗印の元に

決定的なことは、先進国が温暖化対策のためにCO2の排出量削減に世界が進んでいます。多くの国は自国で起きる気象変動が温暖化の影響であると思われいます。そのためにBEVの開発、販売が多くの国で義務付けられています。これは、環境対策の旗のもとビジネスチャンスを想像しています。その一つが環境に関する投資をする動きです。経済的にはコストがかかりますが、環境に良い影響がある企業に投資をします。この分野に多くの資金が流れていきます。このように肯定的に捉えると環境と経済が融合し、今まで環境に興味がない企業や人の資金が流れています。そのため、CO2を排出する化石燃料の使用量を減らしています。これは産油国にとって、大きな問題になります。

今まで得意先だった会社から方針が変わったので取引を減らします(または無くなります)。と急に通告されていることと同じです。サウジアラビアを代表する産油国にとっては大きな問題です。もし、使用量が減っていくなら売り上げを維持するには価格を上げていく必要があります。

一個30円の卵(1パック)300円が月に1万パック売り上げていました。これが5000パックになるために1パック600円になります。同じ売り上げを維持しようとします。厳密には5000パックを製造するコストは変わるのでもっと高くなりますが、売上だけならこの様になります。これと同じことが産油国で起きています。

産油国にとって有利な条件を考える

物価高の原因の一つは原油高ですが、下げるには産油国にメリットがある条件を出していく事が必要になります。例として、産油国の経済発展を援助する。技術供与を政府レベルで行う。政府が後押しして、民間企業が進出しやすいように促すなど。原油以外の産業を発展させて、その国の経済レベルを発展させることが大事になります。ここで需要なのが、現政権が存続できるように配慮することです。

まとめ

物価高の原因の一つは、原油高です。原油を下げるには、産油国が原油事業に対する依存を減らしていく必要があります。アメリカは中東に対して、影響力がありましたが数年間の政策変化でこれからも低下は避けられない。その分、日本にもチャンスがあり、原油を輸入してく日強がある為多くの技術を輸出することで中東との関係はよくなってきます。これはビジネスでも同じです。一人勝ちをしようと思えば結局、取引先から離れていきます。

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